野庭スクール
琉成へ
もう卒業か。入部してから今日までが、あっという間だったね。最初からずっと見てきたコーチとしては、琉成の成長に立ち会えたことを嬉しく思う。
チームに入った頃の琉成を思い出すと、最初は遠慮がちで自分の考えを口にすることが少なかった。それが少しずつ変わっていって、今では自分の意見をしっかり持ち、それを相手に伝えられるようになった。それも単なる主張ではなく、しっかりと考え抜いた上での意見だから説得力がある。琉成の「こう思う」という言葉を聞くたび、「なるほど、そういう見方もあるんだ」と、コーチである私自身が気づかされることが何度もあった。
自分の考えをしっかり持ち、それを適切に伝えられる資質は、実は大人になってもなかなか難しいものだ。多くの人は空気を読みすぎて本心を言えなかったり、逆に相手への配慮なく自分の意見を押し付けたりする。でも琉成は、自分の考えを持ちながらも、それを相手が受け入れやすい形で伝えることを自然とできている。
これからの人生では、意見が対立することも多々あるだろう。それでも自分の考えをしっかり持ちながら、相手の話にも耳を傾けられる人は、どんな場所でも必ず信頼される存在になる。琉成にはその素質が十分にある。
ラグビーを通じて培った「自分の意見を持つことの大切さ」と「相手の意見を尊重する姿勢」を忘れずに、これからも自分らしく進んでいってほしい。新しい環境でも、きっと琉成の意見に耳を傾ける人は多いはずだ。時には意見の食い違いで悩むこともあるかもしれないが、そんな時こそ、ラグビーで学んだチームワークの精神を思い出してほしい。
これからの琉成がどんな風に成長していくのか、本当に楽しみだ。コーチとしても、一人の大人としても、これからの活躍を心から応援している。卒業おめでとう。
大地へ
6年間、水泳と野球とラグビーを同時にこなしてきた姿に、心から感服する。その継続力と体力は並大抵のものではない。
特に忘れられないのは、ラグビーの練習後にダッシュで水泳に向かう姿だ。当時、私は正直心配していた。ラグビーも水泳も体力を極限まで使うスポーツなのに、それを二つも同時にやるなんて、体を壊してしまうのではないかと。しかし大地は、それを難なくこなしていた。「疲れた」なんて弱音を吐くことは一度もなかった。むしろ、複数のスポーツに取り組むことで、それぞれの良い部分が相乗効果を生み出しているように見えたほどだ。
大地の姿を見ていると、「継続すること」の真の価値を実感する。例えば練習が厳しい日もあった。思うようにプレーができない日もあっただろう。それでも諦めず続けていくその姿勢は、チームメイトにとっても大きな励みになっていたはずだ。
大人になると、途中で諦めることがどれだけ簡単か痛感するようになる。「もう疲れた」「今日はやめておこう」という言葉が、簡単に口をついて出てくる。それでも自分が大事にする趣味や価値観に基づく時間は、絶対に守るべきだ。日々の忙しさや「やらなければならないこと」に追われがちだが、「やりたいこと」に向き合う時間も忘れないでほしい。
大地の継続する力は、これからの人生でも必ず大きな武器になるはずだ。何か困難なことに直面した時も、「これも水泳とラグビーを両立していた時のように乗り越えられる」と思い出してほしい。どんなに難しい道のりも、一歩一歩進めば必ず到達できることを、大地は6年間の継続で証明してくれた。
大地の継続力と努力を惜しまない姿勢への尊敬の気持ちを、この場を借りて改めて伝えたい。これまでの頑張りに心からの拍手を送るとともに、これからの新たな挑戦も、きっと大地なら乗り越えていけると確信している。おめでとう。
羽琉へ
あの日公園で出会って、チームへの勧誘から10秒もしないうちにお母さんに電話していた羽琉の姿は、今でも鮮明に覚えている。その決断の速さと行動力には心底驚いた。迷う時間はほとんどなく、「やりたい」と思ったらすぐに行動に移す——今までで一番の即断即決だった。
そして練習を通じて見えてきた羽琉の多面性も非常に印象的だった。妹や同学年のメンバーには芯の強さと厳しさを見せる一方で、年下の子たちには優しく丁寧に接していた。その場の状況や相手に応じて、自分の出すエネルギーを調整できる——そんな大人顔負けの対応力を持っていたんだ。
帰りのあいさつも常に丁寧で、小さなことかもしれないが、そういった日々の積み重ねに羽琉の人柄が表れていた。礼儀正しさと思いやりの心が自然と身についているのは、素晴らしい資質だ。
特に心に残っているのは、怪我で練習に参加できない時の羽琉の表情だ。ただ見ているだけなのに、その悔しそうな顔には根っからのスポーツマンとしての情熱が表れていた。参加できないもどかしさを隠しきれない様子や、それでも仲間を応援する姿には、羽琉のラグビーへの純粋な愛情が感じられた。
決断と行動の速さ、場面に応じた対応力、礼儀正しさ、スポーツへの情熱——これらすべてが羽琉の強みだ。時に周りの子よりも先に走り出し、時に立ち止まって年下の子を助ける。その両方のバランスが取れていることが、羽琉の特別な魅力だと思う。
新しい環境や困難な状況に直面した時も、その決断力と行動力で道を切り開いていってほしい。迷いがちな人が多い中で、羽琉のように「やる」と決めたらすぐに行動できる人は、必ず周りから一目置かれる存在になれるはずだ。そして、その行動力で周りを引っ張っていく時も、年下への優しさを忘れない羽琉であってほしい。
この数年間の成長を誇りに思うとともに、これからの羽琉の活躍を心から応援している。
誠一郎へ
公園で野球をしていた誠一郎を初めて見た時の印象は、今でも鮮明に覚えている。いかにも「スポーツが好きな少年」という輝きがあった。「きっとラグビーも夢中になれる子だ」と思った直感は見事に正しかったね。
最も鮮明に記憶に残っているのは体験会での光景だ。誠一郎がトライを決めた瞬間、本人よりも周りの友達が大喜びしていた。それは誠一郎自身が日頃から周囲を大切にし、思いやりの心を持って接しているからこそ。友達の喜びようを見ていると、誠一郎がどれだけ信頼され、愛されているかがひと目で分かったよ。
そして誠一郎のもう一つの素晴らしい点は、いつも友達に囲まれ人気者でありながらも、「馴れ合い」にならないところだ。ダメなものはダメとはっきり言える誠実さがある。「ちゃんとやろう」とチームを引き締める一言が言えるのは、誠一郎の大きな強みだと思う。
多くの人は「仲良くすること」と「正しいことを言うこと」のどちらかに偏りがちだ。友達との関係を重視するあまり、本当は言うべきことも言えなくなる。あるいは逆に、正しさを追求するあまり、周囲との関係が築けなくなる。しかし誠一郎は、その両方を自然に両立させていた。それでいて周りから人が離れないのは、誠一郎の言動に「誠実さ」が感じられるからだろう。その姿勢には本当に感銘を受けた。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるけれど、友情と誠実さを兼ね備えた誠一郎を心から尊敬している。これからの人生では様々な人間関係が待っているだろうが、どんな環境でも誠一郎らしさを忘れずに、友達を大切にしながらも正しい道を歩んでいってほしい。
この先も輝き続ける誠一郎の姿を、遠くから応援している。卒業おめでとう。
都田西スクール
航太へ
「ラグビー愛」という言葉が誰よりもぴったりな航太。その情熱の深さには、いつも感銘を受けていた。
コーチとして教えてもいないプレーを次々と吸収していく航太の姿は、何度も私を驚かせた。チームメイトがまだ理解している段階で、航太はすでに実践できていた。そのスピードと理解力の高さは、まさに「才能」という言葉の意味を教えてくれたように思う。
学校の駐車場の明かりをスタジアムの照明に見立ててイメージトレーニングをしていたという話を聞いた時は、その想像力と創造性に感心した。普通の景色を違う世界に置き換えられる感性は、航太だけの特別な才能だ。
さらに驚いたのは、マイクラでラグビー球場を再現しているという話だ。最初はラグビー以外の趣味がある意外性に驚いたが、そこでもラグビー球場を作っていると聞いて、さらに感心した。どんな時も心の中はラグビーで満ちている——それが航太の本質であり、魅力なんだと思う。
特に素晴らしいと感じるのは、航太のラグビーへの愛情が誰かに強制されたものではなく、純粋に自分の内側から湧き出てくるものだということ。誰かに言われたわけでもないのに、自分の情熱に忠実に生きられる人は強い。そして、人生で何かを心から愛せるということは、最大の財産になると確信している。
これからの航太には、ラグビーへの愛を持ち続けながらも、その視野をさらに広げていってほしい。今はラグビーだけが全てに見えるかもしれないが、航太の才能は様々な分野で活かせるはずだ。ラグビーから学んだことを、人生の他の場面でも応用できる力を持っている。
中学部での活躍も楽しみにしているし、その先の航太の可能性も無限大だと思っている。航太のラグビー愛に、これからも触発され続けたい。
礁へ
お兄ちゃんと一緒にラグビーを始めた礁の、初日から驚くほど上手かったキャッチ技術は忘れられない。私が力加減を間違えて出した強いパスさえも、難なく受け止めていた。あの安定感はチーム全体の財産だった。
しかし礁の真価は、単なる技術的な面だけではない。普段は控えめな性格でありながら、試合になると的確な声かけでチームを鼓舞する——その絶妙なバランス感覚が光っていた。自己主張が強すぎず、かといって存在感がないわけでもない。必要な時に、必要なだけ前に出る——それができる人は大人でも少ないのに、礁は自然とそのバランスを取れていた。
プレースタイルにも礁の人柄が表れていた。自分がトライを決めることよりも、仲間にいいラストパスを通すことを常に意識している。個人の栄光よりもチームの勝利を優先する姿勢には、「チームプレー」の本質を見た気がする。
礁の持つ思いやりの心と仲間を大切にする姿勢は、ラグビーの枠を超えて、どんな場所でも必ず生きる強みになる。これからの人生では、様々なチームや集団に所属することがあるだろう。そんな時、礁のような「個人の力を発揮しながらも、周囲との調和を大切にできる人」は、どんな環境でも必ず重宝される。
また、礁の持つ「目立ちたがらない謙虚さ」と「必要な時に前に出る勇気」のバランスも素晴らしい資質だ。この二つを両立できる人は珍しい。多くの人は、どちらかに偏りがちだが、礁はその両方を持ち合わせている。
新しい環境では、最初は遠慮がちになることもあるかもしれない。けれど、礁らしさを忘れず、少しずつ自分の力を発揮していってほしい。きっと周りは礁の真価にすぐ気づくはずだから。
これからも誰かのためにパスを出せる、そんな礁らしさを忘れずに、新しい世界でも羽ばたいてほしい。チームメイトだけでなく、コーチとしても礁から多くのことを学ばせてもらった。ありがとう。
フゥへ
「中学でもラグビーをやりたい」——そのフゥの一言が中学部誕生のきっかけになった。当時の私は迷っていた。中学部を作るべきか、その余力があるのか。そんな時、フゥの熱意ある言葉が私の背中を押してくれたんだ。
あの時、フゥに背中を押してもらえなかったら、今の中学部は存在していなかったかもしれない。一人の言葉がこれほど大きな変化を生み出すことを、フゥから教わった。小さな「やりたい」という気持ちが、時に大きな物事を動かすことがある——その事実を、フゥは自らの行動で示してくれた。
引っ越しで物理的に遠くなってしまっても、最後まで通う方法を模索していた姿は本当に感動的だった。諦めずに可能性を探り続ける姿勢には、フゥの情熱の深さを感じた。その熱意があったからこそ、私自身も「なんとかしなければ」と考え、行動できた時が何度もある。コーチが選手から力をもらうこともあるんだと、フゥに教えてもらった気がする。
「与えられた環境をプラスに変えるもマイナスに変えるも自分次第」——この言葉は、まさにフゥの生き方そのものだと思う。引っ越しという環境の変化に対しても、最後まで前向きに対応しようとしていたフゥの姿勢は、コーチとしても一人の大人としても、とても勉強になった。
これからの人生でも、環境の変化や予期せぬ障害に直面することがあるだろう。そんな時、フゥには「変化を恐れない心」と「新しいことを始める勇気」を忘れないでいてほしい。どんな状況でも可能性を信じ、自分の言葉と行動で周囲を動かしていける——その力は、これからも人生の大きな財産になるはずだ。
フゥがチームにいてくれて、そして中学部立ち上げのきっかけを作ってくれて、本当に良かった。心からの感謝を伝えたい。ありがとう。
湊へ
都田西ラグビースクールには、これからも湊の熱量が残り続けるだろう。そう確信している。
湊がチームに加わった日から、練習の空気が一変した。その熱意と本気度は、まるで伝染病のように周囲に広がっていった。「一人の人間がこれほどまでにチーム全体を変えることができるのか」と驚かされた。湊の情熱が仲間たちに伝わり、チーム全体のレベルが引き上げられていく様子は、コーチとして最も感動的な光景の一つだった。たった一人でそれを成し遂げるなんて、本当に驚くべき才能だと思う。
湊のもう一つの特徴は、型にはまらない自由な発想だ。中学部の在り方についての独自の視点や、試合中のファンタジスタのようなプレースタイル——それは時に予測不可能で、相手チームを混乱させるほどの創造性に満ちていた。何度か失敗しても同じことに挑戦する姿を見て、「これこそ湊の才能だ」と確信するようになった。
正直に言うと、厳格なラグビーの観点からは修正すべき点もあったかもしれない。基本に忠実にプレーすることも大切だからだ。しかし湊の人生においては、その自由な発想こそが最大の宝物になると信じている。型破りな独創性は、ラグビーの枠を超えて、これからの人生でも大きな武器になるはずだ。
湊が持つ「人を巻き込む情熱」と「型にはまらない創造性」——この二つの才能を合わせ持つ人は稀だ。多くの人は、情熱があっても型にはまりがちだったり、創造的でも周囲を動かせなかったりする。しかし湊はその両方を持ち合わせている。その特別な才能を、これからも大切に育ててほしい。
新しい環境では、時に湊の情熱や創造性が理解されないこともあるかもしれない。それでも自分らしさを失わず、湊にしかできない方法で周囲に良い影響を与え続けてほしい。湊のような存在がいることで、集団全体が前向きなエネルギーで満たされるんだから。
これからも湊らしく、熱量と独創性を大切に、自分の道を突き進んでほしい。湊から教わったことは数えきれないほどある。本当にありがとう。そして、卒業おめでとう。

コメント